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「かえりみち」作品サンプル

「下り岡山方面、まもなく到着でーす。大雨のため、この電車をもちまして上下線とも運転を見合わせまーす。1番線の上り電車は、雨量規制の解除まで運転見合わせでーす。岡山方面へお越しの方お戻りの方、2番線に参ります電車にお乗り遅れのないよう…」
 山あいの途中駅に、雨音に負けじと声を張り上げるような放送が響く。それに促され、まだ上り電車の中に残っていた人たちもバラバラと外に出てきた。ホームは長いのに、屋根は二両分ほどしかない。すでに向かい側には岡山方へ戻る人々が黒い塊をなし、ざわめきながら下り電車が来るべき方向をうかがっている。
「…ですから、何時ごろとかは全然分からんのですよ!姫路まで行かれるんでしたら戻って新幹線に乗られた方が…振替になるかですか?うーん、まだ振替にはなっとらんですけど、長びけばたぶん…あ、ちょっと待って下さい………ハイハイ。ええ、これでしたら岡山までは戻れます。ハイ、払い戻しも…」
 ホームに降りた上り電車の車掌が、取り囲む乗客に大声で説明を繰り返す。止まってしまった上りの次の駅はもう隣の県で、だから戻ろうとする客に高校生の姿はない。中年や年寄りか、あるいは貧乏旅行といった感じの若者…日中に峠を越す電車は一時間に一本きりで、夏休みになると旅行客が激増するのだ。旅慣れない様子の人も多く、谷間の小さな町を見下ろす狭いホームは、まさに大騒ぎになっていた…。
「くー……、くぅー………」
 そんな中でただ一人だけ、チカは悠長に、動かない電車のボックス席で居眠りしていた。
 オーソドックスな白いセーラー服と、膝に置いたいかにも学校指定といった感じの革の鞄は、岡山市内にある女子校のそれ。つまり岡山からの帰り道だ。学校は数日前から夏休みだが、今日から補習期間で、昼前に補習が終わった。岡山からここまで、四十分あまり。ここからさらに県境を越えて…という、地方にしては異例の遠距離通学だけれども、家のある町は越えてすぐ隣だ。峠越えを挟んで十分かかるとはいえ、とにかくあと一駅だった。
「岡山行きが到着でーす、白線の内側へお下がり下さーい!」
 緊迫の度を増した放送に前後して、電車の来る方を見ていた人々が向き直る。人垣と屋根の間に見える空間は、滝のような雨で真っ白になっていた。こちらの窓はホームの屋根に守られていたが、反対側の窓ガラスは割れんばかりにビシビシと雨に打たれ、何も見えない。
「う〜ん………むにゃむにゃ………」
 寝言を言っている場合じゃない。ホームで車掌が説明していたとおり、見通しは全く分からないのだ。つまり、すぐ復旧するかもしれないし、でも夜になるかもしれない。ならば、たとえ家まであと一駅でも、こんな山奥の、降りても何もなさそうな駅にいるべきじゃない。岡山へ戻るべきだった。
 しつけの厳しいお嬢様学校で、喫茶店やファーストフードへ入るのは厳禁だった。でもまさか、昼食抜きのまま夜まで過ごせとは言わないだろう。それに、チカの一家はこの春まで岡山に住んでいたから、市内には友人もいるし、さらには大学生の姉が一人住まいしている。というより、もともとは姉と二人暮らしで通学すればいいと親に言われていて、チカはそれを楽しみに付属の高校に進んだのだけれど、その親が間際になって「お姉ちゃんはチカを甘やかすから…」などと言い出し、結局、引越先から遠距離通学を強いられているのだった。
 走り疲れたようにノロノロと、向かい側に短い編成の電車が入ってきた。水しぶきで屋根の輪郭が霞んでしまっている。溜息みたいな空気音とともに電車が止まり、ドアが開く。すでに立ち客が大勢いる車内めがけて、岡山へ引き返す人だかりが押し合いへし合いを始めた。
「すー……、すぅ………」
 窓越しとはいえ、これだけの大騒ぎの脇で眠り続けていられるとは、案外大物なのか、それとも…。



「………え?!」
 やがて目を覚ますと、チカはもちろん驚いた。
 すぐ前のドアも見えないほど混んでいた車内が、がらんどうになっていた。咳一つ聞こえない。
「どこで降りたんじゃろ…混んどると思ったら、何かの団体さんだったんじゃな」
 だが驚いたのも束の間、勝手な結論に納得してしまった。まあ、引越先から夏休みに登校するのは初めてだったから、そう思えても仕方がないかもしれない。少しくせのある髪を掻き上げながら、あくびを一つ。
 電車の止まるホームにも、誰一人見えない。しかしこの付近の駅は、日中は誰もいないのが普通だった。
 近くや遠くの叩きつけるような雨音が、窓越しに、しかし何重にもチカを包み込んでいる。でも、学校を出た時からすでに豪雨だったので、やはり驚かなかった。
「あと一駅じゃあ…寝過ごさなくてよかったあ…」
 むしろ駅名標を見て、ホッと胸をなで下ろしてしまっていた。
 しかし、五分が過ぎ、十分が過ぎると、さすがのチカも怪しいと思い始めた。
「なんで、動かんのじゃろ…貨物列車が待っとることはあるけど、電車が待ち合わせなんかしたっけ?」
 車内は照明も冷房もついているものの、何のアナウンスもない。
 冷房も、寝汗をかいていた起き抜けこそありがたかったが、そろそろ肌寒くなってきていた。
 もういちど、窓の外を見る。ホームの向こう側、下り線の先は一面、大雨に霞む蔓草の斜面があるだけ。
「なあんも見えんが…」
 反対側のボックスへ移って、ぶち当たる雨粒の間から外を覗く。錆びた線路が二本ばかり並んでいて、レールや枕木はもとより、水を通すはずの砂利までが真っ白にしぶいていた。でも、それらは形がはっきり見えるだけまだよくて、草むらを挟んでやや遠くにうかがえる数軒の家と、その背後にそびえる山々は、影でそれと分かるだけという有様だった。
 びしゃっ!
「!」
 雨樋があふれたのか、チカのすぐ前のドア付近で、ホームの屋根から打たせ湯みたいに水が落ち始めた。回送電車になった訳じゃないから、ドアは開いたまま。バシャバシャという音が直接耳に届き、不安がさらに募る…車内には、他にも乗客が残ってはいた。ドアを挟んでさらに前のボックス、その肘掛の上に、汚い靴下をはいた二つの足が載っている。だがもちろん、かえって彼女をより嫌な気分にさせた。
 寒い。寝汗の他にも、学校から岡山駅まで走ったせいで、靴下や靴の中がまだ濡れていた。
「そうじゃ、車掌さん」
 近くのドアからホームに降りると、耳に届く雨音がぐっと大きくなり、冷房よりも冷えた空気が全身を覆った。滝に囲まれたような屋根の外を横目に見つつ、一つ後ろの最後尾の車両へ。
「車掌さあん」
 先ほどホームで説明に追われていた夏服姿が、窓ごしに軽く驚いた。中から扉が開けられる。乗務員室に響く無線の交信が、いかにもあわただしげだ。
「あの…何かあったんですか?」
「は………?」
 唖然としてしまった車掌に、チカは自分が体験したままを話す。ようやく事情を呑み込んだ車掌は気の毒そうな顔で、運転見合わせと、見通しが全く立たないことを彼女に教えた。
「そんなあ…なんで急に、そんなことに…」
 チカはようやく自分が置かれた状況を把握し、真っ青になった。
 白髪混じりの車掌は、屋根と電車の隙間をチラリと見上げてから彼女に尋ねる。
「学生さん、学校の帰り?」
「はい」
「じゃあ、まだ一年生じゃろ」
「え!」
 なんで分かるんだろ…と思っていたら、車掌は苦笑いして言葉を続ける。
「最近は違った時に苦情が来るけぇ、お客さんには言わんことになっとるんじゃけどな…夏場にこのへんの雨で電車が止まると、長びくんじゃ。地元で電車使う人はみんな知っとる。一晩動かんこともあるよ」
「ええ?!」
「今日も…そうじゃなあ、三、四時間は動けんかなあ…家に電話して、車で迎えに来てもらった方が…いやそれもダメかもしれんが…」
 電車が止まるほどの大雨だと、並行して峠を走る国道も通行止めになることが多いという。
「けど親御さんも心配しとるじゃろし、通行止めと決まったわけじゃないけぇ…あるじゃろ、携帯」
「……………」
 国道が通行止めであろうとなかろうと、電話がなかった。携帯電話の所持も学校が固く禁じている。


=中略・この間のあらすじ=


 すごすごと座席に戻ったチカ。
 峠越えの電車は一時間に一本しかないが、今日の彼女は、タッチの差でそれに乗り遅れていた。びしょ濡れ。空腹。しかし駅前のファーストフードやパスタの店は教師が見回っているとの噂で、結局ホームで一時間待ちくたびれた挙げ句、異様に混んだ電車の熱気に眠気を引き出され、ついウトウトした結果がこれだった。
「どうしよう……夜までこのままじゃったら……私……」
 不安と退屈のあまり下を向くと、膝の鞄が少し開いていた。青っぽい背表紙が目に入る。簿記のワークブック。学校は普通科だけれども、選択科目に簿記やワープロといった授業がある。
「簿記が超おすすめ!簡単でめっちゃ楽しいし、あと先生が優しくて成績も超甘じゃけえ!」
 選択科目を決める時、同じ学校の卒業生である姉からそう教わったのだ。明日はその簿記の補習だけれど、補習に呼ばれるぐらいだから覚えられないことだらけだった。少しでも補習を軽くしようと、家で何度も開き、今日はこうして持ち歩いているのだが、まるで進んでいない。
「簡単だなんて、ミカ姉ちゃんのウソつき…」
 先生も姉の話と大違いだった。優しくて面白いおじいちゃん先生、という触れ込みだったが、その先生は一昨年に引退していて、チカを待っていたのは浦上という若い女の先生。スラリと伸びた背筋に濃い色のスーツがよく似合う。その見かけどおりにテキパキと授業を進め、そして、なかなか厳しい。
「これ、分からないの?…話を聞いてなかったでしょう。立ってなさい」
 聞いていなかったりサボったりで問題が解けないと、たちまち見抜いて遠慮なく立たせる。立たせる時の冷たくて険しい眼は怒鳴られるよりも怖く、生徒たちに有無を言わせない。ただ、やることに筋は通っているし、単純ミスなら優しくフォローしてくれるから、生徒の間に彼女の陰口は聞かれず、いわゆる「お姉様」的なあこがれを抱く生徒すらいる。チカも嫌いだとは思わないが、簿記そのものと同じぐらい苦手な先生だった。
「補習でも、立たされるんじゃろか…」
 重い補習と浦上怖さにチカは問題集を取り出したが、結局ここでもやる気は起きない。
「…今から一日ぐらい頑張ったって、どうせ同じじゃ」
 新たな原因が加わって、チカの気持ちはさらに沈んでしまった…。



=ふたたび本文=

「家に、帰りたいよお………あ!」
 家路を恋しがるうち、家の最寄駅の隅に電話ボックスがある風景を思い出した。たいていの駅には、ある。
 鞄と傘を手に、またドアを飛び出す。目の前に下りの階段。降りて薄暗い通路を歩くと、その高さのまま待合室へ。土砂降りの下へ傘と上体を突き出すや、傘のビニール地を破りそうな勢いで雨粒が叩いてくる。
 しかしすぐに、雨の勢いを気にするどころじゃなくなった。
「ない……………」
 どんなに目を凝らしても、電話ボックスが見あたらない。
 周囲を見回すうち、なんとなく納得がいった。
 電話ばかりか、駅前にあるべきバスやタクシーの来る広場がないのだ。駅舎は狭い高台にあって、チカが立つ二、三歩先からいきなり細い石段が下りている。下でぶつかっているのは乗用車がやっと通れるぐらいの坂道。古びた民家が一軒見えるだけで、田舎の駅前なりにあるはずの煙草屋や日用品店はなかった。左手には桜の枝越しに坂の続きも見下ろせるが、やはり、路地みたいな細道に沿って瓦屋根の家があるばかりで、店のたぐいは一軒も見えない…乗り降りのごく少ない駅だということは、チカでも薄々分かる。
「駅員さあん…」
 振り返ると窓口が見えたものの、明かりがなかった。さっき肉声の放送が何度も聞こえたから、無人駅のはずがない。現に、窓口のアクリル板には
「ただいまの時間は窓口を閉めております」という札が掛けられているし、中のレジみたいな機械に電源が入っている。なのに人の気配はまるでなく、さっき車掌のところでも聞いた無線の声や雑音が、どこからか小さく聞こえているだけだった…。
「はぁ……どうしよう……」
 溜息をついて向き直ってみても、やはり眼下にあるのは、豪雨に霞むひっそりとした家並みばかり…。
「あ……………」
 と、何かに気づいたらしく、チカの両目がパチッと見開かれた。
「ここ……『煙突の町』じゃな……」
 チカのつぶやきどおり、円筒と四角柱の形をした二本の煙突のシルエットが、隣り合って彼女の眼の高さにあった。高い。二階建ての民家を見下ろしているというのに、二本の煙突の先は駅舎よりもはるかに上だ。
 線路は駅舎よりもう一段高く、その位置から岡山方へ下っていくので、チカは毎日、この谷間の町の全景を車窓から見下ろしていた。巨大な煙突は年季の入った煉瓦造りで、今見えている他にももう一組が、背の低い町からニョキリと伸びている。煙突の下は何かの工場で、建物や塀にも古い煉瓦造りが見えた。
「なんか、いい感じ……」 外国文学か何かに出てくる十九世紀のイギリスみたいな雰囲気が、しないでもない。チカはそんな本など読まないし、第一、瓦葺きの家々に囲まれている時点でイギリスじゃないのだけれど、煉瓦造りの煙突と工場の眺めに彼女はロマンチックな感想を抱き、ちょっと気に入っていた。とにかく工場は小さくはなく、それを包む町自体も山あいの集落の割には規模があって、四角い建物の上に信用金庫の大きい看板も見えるのだ。
「大きい町じゃけえ。駅前にはなくたって、絶対に公衆電話ぐらいあるって!」
 元気よく傘を開き、手に提げていた鞄を肩でしょって、チカは雨にしぶく石段を小走りに下りていった。



「……………」
 二分も歩かないうちに、チカは「見つけた…」という顔で立ち止まっていた。
 ただし、ダイレクトに公衆電話を見つけたわけじゃない。
 木造の民家が並ぶ中に、なぜか一軒だけ、煉瓦とモルタルを組み合わせた古い洋風建築があった。横より縦が長い小ぢんまりした二階家だけれど、玄関の扉が住居のそれではなく、「COFFEE SHOP」と手書きされた木の札がかかっている。
 最近は減ったが、なるほど喫茶店なら、電話を置いていてもおかしくない。
 が、さっさと入って有無を確かめればいいものを、チカは傘を抱くように持ったまま、不安げな顔で建物を眺めていた。途中で渡ってきた小川の濁流が、ごぽごぽという音をここまで伝えている。
 不安といえば、たしかに立地が怪しげだ。駅に続く道といっても、前に書いたように路地に等しい幅の道で、しかも他に店のたぐいは一軒もない。現に人通りがないのはもちろん、これから誰かが通る予感すら全くしない場所だった。なぜか家々にも人の気配がなく、屋根が雨に叩かれるばかり。
 板塀や瓦屋根の間に洋館が挟まっている図も、不思議だ。店のために最近建てたにしては、土台の煉瓦は歳月にほどよく黒ずみ、モルタルの白壁に埋まった木の柱も自然に黒光りしている。つまり、周囲の古びた家々とともに長い年月を経てきたのだった。そのせいか、不思議ではあるものの、突然はめ込まれたような違和感はない…。
「どうしよう、かなぁー……」
 見ていたチカが、小さくつぶやいた。
 彼女の眼をよく見ると、建物全体を見回しているのではなく、ドアの隣の観音開きの窓に視線が固定されているのが分かる。洋館によくある、桟で小さく区切られた窓ガラスの内側には、飴色の明かりが見えた。中の造りがよく見えないほど弱い光だけれど、暖かそうな色だ。
 外は、冷たい。傘を差していても、大粒の雨に冷やされた空気が袖やスカートの内側にまで入ってくる。おまけに靴下と靴がびしょ濡れだった。石段や坂道は雨水で川みたいになっていたのだ。
「寒い……おなかすいた……電車の椅子以外に座りたーい……」
 つまり、この喫茶店に客として入りたい。それだった。
 入らないでいるのはもちろん、学校帰りに飲食店に入ることが重大なタブーだからだ。たぶん九割方の読者は「何をそこまでクソ真面目に…」と笑うだろうけれど、学校で早いうちから繰り返し戒められていると、誰も見ていないから破ろうと頭で思っても、生理的に足がすくむのだそうだ。
「うー………」
 が、家へ電話することなどチカはもう忘れていた。こんな場所に喫茶店があることも、怪しいとも何とも思っていない。それほどまでに体は冷え切り、腹が減り、心はズタズタに疲れていた。そしてここは岡山駅の地下街や駅ビルじゃなく、学校からは遠く遠く離れた谷間の町はずれだ…。
 すくむ足に力を込めて、店の軒の下へ。チカは傘をたたんでから、焦げ茶色の扉をゆっくりと押した。

「すみませーん」
 左手のテーブル席を見ても、右手にあるカウンターの内側を見ても、人の姿はなかった。
 シェードに覆われた電球の集まりが、店の中を飴色に照らしている。床回りの焦げ茶の板張りも、白い塗り壁も、ほんのりと暖かい色に染まっていた。もちろん実際に、外よりも暖かい。
「すみませーん!」
 もう一度呼んで反応を待ちながら、チカは時計回りに、店内のいろんなものに目を移していく。まず目を引いたのは、左の壁の大きな柱時計。スマートな躯体と細いギリシャ数字の文字盤が、彼女の好みを満足させた。次いで、奥の左寄りに見える窓。扉の隣にあるのと同じ、いかにも古い洋館といった感じがする鉄枠の観音開き。飾り模様のついた真鍮の取っ手が、明かりを反射して鈍く光っている。その右手にある戸棚にも真鍮の取っ手。磨かれた木地の照り返しもきれいだ。
 そして、柱にもたれてカウンターの上に座る、ひらひらのワンピースを着た大きいアンティークドール。
「いらっしゃい」
 目が合った瞬間、その人形から声がした。
「うわあ!」
「遠慮しないで座って。チカちゃん」
「え…ええ?!」
 名指しで追い打ちをかけられ、チカは言われるまま、でもなるべく人形から離れたくて、一番手前のテーブル席の椅子を引いた。


★サンプルはここまでです。これより先は、単行本『かえりみち』にてお楽しみ下さい!




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